Q1 : あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、 | あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。またそのなかでいっしょになったたくさんのひとたち、 |
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Q2 : わたくしはすぐチョッキだけ着て山羊を見に行きました。 | 向うの信号所からいつも放して遊ばせる輪道の内側の野原、ポプラの中から顔をだしている市はずれの白い教会の塔までぐるっと見まわしました。 |
Q3 : そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。 | そこらの畑では燕麦えんばくもライ麦ももう芽をだしていましたし、これから何か蒔まくとこらしくあたらしく掘り起こされているところもありました。 |
Q4 : 白いきれをかぶった百姓のおかみさんたちがたくさん歩いてくるようすなのです。 | あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。 またそのなかでいっしょになったたくさんのひとたち、 |
Q5 : そしていつかわたくしは町から西南の方の村へ行くみちへはいってしまっていました。 | そうだ、山羊が迷って出たときに人のようにみちを歩くのではないのです。わたくしはおじぎしました。 |
Q6 : みんな立ちどまってしまいました。教会へ行くところらしくバイブルも持っていたのです。 | たしかにそれは山羊でした。けれどもそれは別ので売りに町へ行くのかもしれない、まああの指導標のところまで行って見よう、わたくしはそっちへ近づいて行きました。 |